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行政書士の業務とコンサルティング 続き
2009年5月31日
前のエントリーの続きです。
ポイントとなっているコンサルとは何か。
よく、士業の方が、これからはコンサルの時代だとか、書類を作らない士業を
目指すとか言いますが、例えば決算書をちょっと眺めて「経費節減しなければ
いけません」とかいうものをコンサルティングだと思われたら、それは全然違います。
私がよく出す、行政書士がIT企業でできるコンサルティングの例がありますので、
書きます。
例えば、A社というクライアント企業があったとします。
A社は開発関係の仕事をしています。
このA社が、広告代理店のB社とともに、新規事業の立ち上げを行ったとします。
その際、通常は守秘義務契約(NDA)などとともに、開発請負契約か、
共同開発契約などを締結します。
その中には、例えばこんな一文があったとします。
第○条 共同で発明した知的財産の権利の帰属およびその果実の分配は
甲乙折半とする。
A社の開発者は、現場で開発を行ったり、B社の担当者と打ち合わせを行ったりします。
このA社の開発者に対して、法務担当者は前もってどんな指導をしておけばいいでしょう。
こうです。
『開発者が発明等したものがあった場合、B社と共同の場においてそれを提案せず、
まず社に持ち帰ること。
そして、社内で技術と仕様を確立し、自社の技術として共同事業に提供すること。』
つまりせっかくA社の担当者が、自分ひとりで思いついたものでも、この共同事業
と一体になる形で事業に組み入れてしまえば、半分は何もしていない相手企業の
持分になってしまうのですが、それを防ぐことができます。
こうすることを徹底することにより、会社の知的財産権を守り、会社の収益や将来性に
つながります。
開発の会社であれば、自社の知的財産権に神経を使う必要がありますが、多くの場合
現場の担当者はそういうことに疎い傾向があります。
それを、法務担当者と開発担当者に、事前に、的確に指示をすることがコンサルティングです。
コンサルティングとは、『具体的な作業の指示』です。
守秘義務契約書の作成を依頼された場合、単に提携の書式を書き写すだけの
行政書士と、あるいはその開発会社の社内体制、法務環境の整備、目的とする
事業の内容などを精査し、的確にコンサルティングを行う行政書士とでは、
クライアントに提供できる業務の価値と、結果が違ってきます。
単に書類を渡すだけでは、クライアントの価値を守れません。
書類を作成し、その条文を解説し、それを最大限に活かすために、『具体的な指示』を
付け加えるのです。
それが、法律家を自認する行政書士にできる『コンサルティング』です。
逆に言えば、というか、私の感覚では、コンサルティングの無い専門職など
ありえません。
専門職というのは、単に資格を持っているだけでも駄目ですし、目の前に
与えられた処理だけをこなすだけでも不十分です。
その前後左右を見渡して、自分が職務を提供した相手、クライアントに何が
発生するのか予見して、前もって『具体的な作業の指示』を出しておかなければ
なりません。
それができるためには、相当な勉強や経験が必要です。
次のエントリーでまとめにします。
投稿者 senshu : 2009年5月31日 17:16
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士業A (2009年5月31日 18:13)
企業コンサルティングについては、非独占業務として、士業に限らず能力がある方はどんどんやっていいと思います。ただ、契約書を作ったりアドバイスをしてもろくな報酬がもらえないことが多いので、割が合わないことが多い気がします。
千秋 (2009年6月 1日 00:32)
士業Aさん
コメントありがとうございます。
確かに、転ばぬ先の杖は、お金を支払ってもらうのが
難しいですね。
私は行政書士をしていましたが、根が制作の人間なので、
やっぱりこういうことは苦手でした。
この辺は私よりも、おそらく林さんとかの専門だと
思いますが、価値を認識してもらって、報酬を提示して、
支払ってもらう、というのも、事業者のスキルのひとつ
ですね。
林 (2009年6月 1日 09:23)
名前が出たのでコメントしますね。
転ばぬ先の杖自体でお金を払ってもらうことだけ考えるのではなくて、そういう付加価値をつけることができることをわかってもらうことで、実業の受注数が上がったり、価格競争に巻き込まれなくて済むんだと思います。
もちろん、コンサル自体にお金を払ってくれる会社もありますけれど、その部分だけでお金にしよう、と最初から思うと、難しいかもしれません。
私のところの場合、自分の実業で結果を出したもので、それを見た会社さんは、コンサルに対して報酬を出してくれます。
コンサルやそのほかの付加価値は、実業の集客のための強い見方です。
千秋 (2009年6月 1日 09:47)
林さん
コメントありがとう。引っ張り出してしまった(笑)。
さすがですねぇ。その辺の組み立てというか、そこに行き着く過程というのは、やっぱりしっかりした実力や、顧客をマネジメントする能力というか、気配りがないとですね。
経営的にも、コンサルの実力としても、ある程度の実業のクライアントが確保できるようになってから、初めてコンサルティング単体でサービス提供できるようになるんでしょうね。