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決裁権者という側面から見る鳩山首相危うさ 続き
2009年12月14日
前回の続きです。
決裁権者にとって怖いのは、ごり押しをされることと、そのごり押しされた結果
相手を優遇したことを、第三者に突っ込まれたときにちゃんとした説明が出来ず、
第三者との関係を壊したり、あるいは漬け込まれたりすることです。
組織の長は、『無理難題を押し付けられたときに断る口実』を常に
いくつか持ってなければなりません。
それも、相手の面子を潰さないよう、自分の組織に無理が掛からないよう、
さらに、第三者に対しても等しく説明が出来るように、上手に断る手段です。
それがどれだけあるかで、複雑な利権の絡む多元的な交渉をどれだけ
バランスよく出来るかが決まりますし、自分の組織に降りかかる損害を
回避し、有利な交渉を進めることが出来るかが決まるといっても良いかも
しれません。
なので、基地問題や最近話題になっている『天皇陛下会見問題』などに見られる、
『私が柔軟に判断して対応します』という姿勢。
これは、実は決裁権者としては本当に見せてはいけないものです。
「自分が臨機応変に決済すれば実現するんだよ」という姿勢は、一見、
決裁権者としてとても柔軟で誠意のある態度に見えますが、全然違います。
これは、自ら『交渉したら私は負けます』という白旗を振るに等しいことなのです。
会社の社長であれば、
『私としては是非その案件を受諾したいのですが、それには取締役会の承認が
必要で、それを納得させるだけの材料が足りないのです』
とか、
『善処したいのは山々ですが、予算的に無理だと経理から
言われてしまいました』
とか、あるいは
『先代の会長がどうしても首を縦に振らなくて』
と他人のせいにしたりとか。
鳩山首相の発言は、こうした、『環境が許さなくて』とか『他人が承諾しなくて』という
逃げ口上、というか、手札を一切放棄してしまうのに等しい行為なのです。
しかも自分から『柔軟に判断する』なんていってしまったら、この先、
『うちのお願いは聞いてくれないんですか?
貴方が柔軟に判断すれば出来るんでしょう?
それとも、貴方はうちを軽視してるんですか?』
なんていわれたときに、返す言葉も無くごり押しを受け入れざるを得なくなります。
言い訳をしないで正面からすべて物事を解決できるのが理想でしょう。
でも、外交は1対1ではなく、多対多です。
しかも立場の強弱や、押しの強さ、歴史的な経緯など、自分でマネジメントできる
範囲を超えたしがらみや条件が無数にあります。
だから、他人のせいにしたり、環境のせいにする手札だけは持っていなければ
ならないのです。
そして、決裁権者は、自分に決裁権がある、ということに対して、そのリスクを
把握して発言や行動しなければならないのです。
投稿者 senshu : 2009年12月14日 21:27
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